セカンドチャンス! 編/2019年3月/1650円(税込)
ISBN978-4915143588
この手記集『あの頃ボクらは少年院にいたセカンドチャンス!十六人のストーリー』に収められた、メンバーたちの心を込めた振り返りの十六篇。一人一人の物語には、それぞれの思いがこもっています。少年院…あのころは…と遠く四十年前を振り返って書かれたものもあれば、まだ湯気が出ているような一文もあります。でもそれぞれの味を味わってください。人が自分の人生を振り返ることは容易なことではないと思います。まして、文字として第三者に向けて綴るのは、とても難しい作業ではないでしょうか。文字にすることの難しさと同時に、文字で伝えられることの限界もあると思います。ある人は、こんな気持ちをどう表現したらいいのだろう、と悩んで編集者のサポーターと相談を繰り返して文をまとめたとも聞いています。読者の皆さんには、僭越なお願いかもしれませんが、これらは、そういった煩悶の末にできた文章であることをどうかご理解ください。そこに綴られているそれぞれのこれまでの生活、その中の非行、そして被害者の方への思い……、それらはいずれも、先行く者の姿を追い求め、罪を背負って生きていくことの自分なりのありようを探し求めている姿です。
議論の末に決まったという「あの頃ボクらは少年院にいた」というタイトルには、今ボクらはここにいる、そしてボクらは、この原点を忘れることなく、この先ずっとずっとずっと長い旅を続けるのだという決意を感じます。一人一人が、いつか輝くだろう自分を信じ、本当の更生に向けた長い旅路を歩み続けてほしいと願っています。
(「この道を進もう──あとがきに代えて」より抜粋)