何が非行に追い立て、何が立ち直る力となるか

何が非行に追い立て、何が立ち直る力となるか

何が非行に追い立て、何が立ち直る力となるか

特定非営利活動法人 非行克服支援センター 著/2013年6月/1800円+税

わが子の非行を体験した215人の親へのアンケートと、
42人の元非行少年たちへのインタビュー。

非行問題に特化して多くの保護者からの相談を受け、
少年たちの立ち直りを支援し続けたNPOならではの
2年にわたった緻密な調査研究。

何が彼らを非行の道に進ませたのか、そして、何が
彼らの立ち直る力となったのか、さらに振り返って親は
本人は、当時の自分を周囲の大人をどう見ていたか、
支援者に望むことは何かなど、心の扉を開いて
語り明かした真実の声を解明しつつ、今日の非行問題への
提起を行った貴重な研究書。

もくじ

まえがき
第1章 調査研究の目的と方法
調査研究の目的
調査研究の方法
第2章 親に対するアンケート調査の結果と考察
初めに
1 子どもの荒れ、子どもとの親の関わり
(1)幼少時の子育て
(2)子どもが荒れ始める以前の子どもとの関わり
(3)子どもが荒れ始めた時期
(4)子どもが荒れ始めた時期の対応
(5)荒れているときの子どもの行動
(6)子どもが荒れているときの子どもとの関わり
(7)子どもが荒れているときに感じること
(8)子どもの荒れのその後の経過
(9)子どもとの現在の関わり
(10)子どもが非行に走る原因について
(11)子どもについて当てはまること

2 他の家族について

3 学校の対応
(1)子どもが荒れ始めた時の学校(小・中・高)の対応
(2)学校の対応の中で良かったこと
(3)学校の対応の中で良くなかったこと
(4)学校・教師に対する希望、要望

4 司法機関や施設等に関連して
(1)児童福祉機関である、児童相談所・児童自立支援施設等について
(2)司法機関である家庭裁判所について
(3)付添人について
(4)少年院について
(5)保護観察について
(6)試験観察について

5 子どもが荒れていたときの親の状態

6 相談期間やサポート資源について
(1)相談した機関
(2)良かった期間・不満が残った期間

7 「非行」と向き合う親たちの会について

第3章 立ち直った少年に対するインタビュー
A インタビュー調査の視点と対象者の内訳
B インタビューから見る「非行」に至る背景・影響

初めにーー非行開始年齢にも触れて
1 親・家族・家庭環境に関して
(1)親の多忙・病気・死など
(2)親の浮気・離婚・ケンカなど
(3)厳しい「しつけ」・支配
(4)家族からの虐待・ネグレクト
(5)親への反抗
(6)親の期待に対する負担感
(7)きょうだい関係

2 学校・教師に関して
(1)教師の体罰と暴力
(2)学校からの排除
(3)イジメ
(4)面白くない・楽しくない授業と学校生活

3 さまざまな出会い・影響
(1)性・風俗産業
(2)薬物
(3)良くない大人
(4)友人・仲間関係
(5)大人からの裏切られ感
(6)文化的影響

C インタビューから見る立ち直りに至る背景・影響

初めに
1 親・家族・家庭環境に関して
(1)見捨てずにいてくれた親・家族
(2)親の思いに気付いた
(3)親との距離
(4)親・家族の存在があったから

2 学校・教師に関して
(1)立ち直りへの影響
(2)振り返って、教師・学校について思うこと

3 少年院
初めにーこの項をまとめるにあたって
(1)生き方を見直すことに「役立つ施設」だったという声
(2)通過点に過ぎなかったという声
(3)少年にとっての少年院

4 少年院以外の諸施設や期間
(1)調査官・裁判官・保護観察・刑務官・付添人などに関して
(2)児童福祉施設等に関して

5 その他のさまざまな出会い
(1)学校・職場・地域などでの出会い
(2)友達・仲間
(3)自分の子どもの存在
(4)異性・パートナー
(5)逮捕、環境の変化
(6)仕事・目標

6 立ち直るうえで困ったこと,妨げになったこと

D インタビューから見る過去から未来へ

1 本人から見た当時の自分・今の自分
(1)「さびしさ」「心の隙間」「不安」
(2)「反抗」「自由」
(3)「好奇心」「意思」
(4)「劣等感」「優越感」
(5)「友達」「仲間」「異性」

2 これまでの体験を振り返って
(1)自分の体験を振り返って思うこと
(2)今、非行に走っている少年たちに伝えたいこと
(3)周囲の人や社会に望むこと

第4章 明らかとなった課題・問題
アンケートとインタビューを踏まえて
(1)「人と人との出会い」の意義
(2)親・家族・家庭環境に関すること
(3)学校に関すること
(4)司法機関や矯正教育機関
(5)「更生」「支援」について
(6)当事者の視点とプロセス的な視点
(7)立ち直りを応援できる社会に