ざ ゆーすNo.12「少年事件と付添人」

ざ ゆーすNo.12

ざ ゆーすNo.12

NPO法人 非行克服支援センター 編/2012年11月/840円(税込)

特集 少年事件と付添人

私たちは、まだ世の中について経験もとぼしく、自我の確立も自立もできていない少年たちが事件を起こしたり巻き込まれたりしたときには、付添人が付いていくことが必要だと考えています。

平成22年司法統計年報の統計によれば、少年事件数53,632件(うち少年鑑別所送致数10,639人、在宅事件数42,993人)で、付添人が付いたのは、7,474人となっています。付添人のうち、弁護士は7,248人、弁護士以外は226人です。付添人が付いたのは少年事件全体の約14%です。

弁護士以外の付添人数の中に、私たち非行克服支援センターや裁判所から委託される形で少年友の会の付添人が入っています。

少年法第10条には「少年及び保護者は、家庭裁判所の許可を受けて、付添人を選任することができる。ただし、弁護士を付添人に選任するには、家庭裁判所の許可を要しない」とあり、少年や保護者が望む人が、弁護士以外でも付添人になれる仕組みです。

日本弁護士連合会は、全面的国選付添人制度の実現をめざす運動をすすめていますが、今日の厳罰化の動きの中で、それと引き換えのように、少年事件への検察官関与の大幅な拡大や逆送事件の場合の有期刑の上限の引き上げが迫られるに至っています。

今回の特集は、はからずも、その渦中に発表することになりました。

検察官関与の拡大は、少年法の精神の根幹を揺るがします。そして、その犠牲を強いられるのは、少年本人です。

本書で紹介する付添人のとり組みを、この問題について、さらに考えるための一助にしていただけたら、と思います。

もくじ

[特集] 「少年事件と付添人」
ある少年事件の付添人活動から 橋詰 穣
少年法改悪とどう闘うか 正木信二郎
付添人の力をかりて 母親 R・K
   ………………………
子どもたち・親たちの心の傷と向き合って
 児童福祉施設から見える子どもたちの心 須藤三千雄
愛情について 浅川道雄
私の体験(12) 理想を押し付けないように 母親 姫井路子

[連載]
被害者との対話が非行をおかした少年にもたらすもの(3) 山田由紀子
漫画・解決!ワルサワ君 山本かずね
映像に見る親子(12)「鉄道員」 まさきしんじろう

私の本棚
「再非行少年を見捨てるな──試験観察からの再生を目指して」 浅川道雄
コミック「勝利の朝」 上野友子
私の視点 映画「月明かりの下で—ある定時制高校の記憶」 山本なを子
映画「大地の詩—留丘幸助物語」 小柳惠子

「非行」と向き合う全国ネットから
夏の公開学習会in熊本/多摩少年院保護者会/第13回全国交流集会のお知らせ
非行克服支援センターの窓
埼玉県 立ち直り体験交流会/思春期の子どもと向き合う連続講座/特別公開講座
次号のお知らせ
編集後記