NPO法人 非行克服支援センター 編/2012年1月/840円(税込)
特集 少年院
2011年11月12日、法務省が、平成23年犯罪白書で、少年院出院者の再犯に関する調査を発表した。それによると、644人を追跡調査した結果、25歳までに約4割が再販に及んだとのことである。
その背景として、「仕事」(または学校)があること「家族」の支えがあることが示唆されている。少年院出院後の地域でのサポートのあり方を考える上で、大切な課題であろう。
少年院は、「矯正教育を授ける施設」(現行少年院法)であり、そこでの「処遇は、個々の在院者の年齢及び心身の発達程度を考慮し、その特性に応じて」(現行少年院法)行うとされる国立の施設である。
この特集では、一般にはあまり知られていない少年院での矯正教育の現状について、2人の元法務教官から執筆していただいた。また、少年院を自ら体験し、現在は少年院出院者の立ち直り支援の活動をしている青年から、社会と少年たちへのメッセージを書いていただいた。
[なお、本誌6号では、2009年に明らかとなった広島少年院での教官による暴行事件に関する記事を掲載した(八田次郎氏執筆)。この事件を契機にして、少年院法の全面改正が進められている。今後、法改正に関する記事も取り上げていきたい]
もくじ
[特集] 「少年院」
不信感を取りのぞける大人に 中野レイ子
大人は子どもたちにどのように向き合っていくのか
──少年院という教育現場での経験から── 林 和治
出会いをつなげる 才門辰史
私の体験(11) 鑑別所で変わると決意した息子へ 鈴木宏子
[連載]
新連載 被害者との対話が非行をおかした少年にもたらすもの(2) 山田由紀子
映像に見る親子(11)「あかね空」 まさきしんじろう
私が出会った少年たち(8) 能重真作
[新企画]
漫画・ワルサワ君 山本かずね
私の本棚
「再非行少年を見捨てるな──試験観察からの再生を目指して」 浅川道雄
コミック「勝利の朝」 上野友子
私の視点 映画「月明かりの下で—ある定時制高校の記憶」 山本なを子
映画「大地の詩—留丘幸助物語」 小柳惠子
「非行」と向き合う全国ネットから
全国ネット加盟団体/あめあがりの会 15周年/熊本・雨やどりの会出版 ほか
非行克服支援センターの窓
次号のお知らせ
編集後記