子ども理解のための十二の月の物語

yokoyu

 「子ども理解のための十二の月の物語 〜教育臨床の立場から」
横湯園子 著/2008年8月発行/1260円(税込)

著者より

「格差社会」が時代語となり、貧困のひろがりの具体的姿が見えるようになり、その影響はかつてない速さで子どもたちにも及び、子どもたちが抱え込んでいく困難や悩みの質が変化している。

つらさへの共感こそが大事と考えた私は、子どもの状況の変化への警鐘の文字を刻み始めました。改めて、親子が親子であることの大事さ、大人も生き残ることを考えなければならないこと、放られている子どもたちへの眼差しが問われていること、このような時代であるからこそ愛を大事にしたいという思いを強くして、祈るような思いで書き続けました。

もくじ

4月 春、出会いの月−期待という不安を受けとめて
5月 万緑 いのちが愛しい月−求めることと拒むことの間で
6月 水の物語を聴く月−語ることと語らないことの「はざま」で
7月 回復と癒しのはじまる月−ストレスとのつきあいかた
8月 魂がであう月−死と生をめぐるドラマ
9月 玉すだれの花が咲く月−ダブル・バインドの苦しみを与えるなかれ
10月 ナナカマドが美しくなる月−攻撃性への対応は、パフォーマンスと真心で
11月 空蒼く秋バラの咲く月−花がトラウマを癒し、世界をつなぐ
12月イヤープレートのクリスマスローズ月−願い、待ち、祈る子どもたちの幸せと尊厳
1月 祝祭と孤独の中でみつめなおす「睦」の月−心の居場所にサーチライトをあてない
2月 薫るいのちの季節を待つ光の月−子どもたちの異議申し立てと「再び」の願い
3月 いやしと愛の薬木の月−子どもと大人が共に生きる道