ARASHI(嵐)その時
手記・親と子の「非行」体験
「非行」と向き合う親たちの会 編/1999年9月/1500円(税込)
★日本図書館協会選定図書
2000年1月 2刷
2004年4月 3刷
概要
夜遊び、万引き、シンナー、傷害、暴走バイク、暴力団……。傷つき、傷つけて「荒れる」子どもたちの心の底に何があるのだろうか。
「なぜ、わが子が?」と、苦しみながら全身で子どもと向き合った親や、届かない心の叫びにいらだちつつ、嵐となって一時期を生きた本人の手記など、少年少女たち・親たちが、固い心の扉を開けて綴る、現代の「非行」の真実。全国から公募した初めての「非行」体験記集。
※ ※ ※
1999年2月に、「『非行』と向き合う親たちの会」が「非行」に悩むたちへの援助ともなり、また今日の「非行」を考え合うためにと、広く体験記を募集したところ、全国各地より、10代から60代まで、多くの方々の手記が寄せられました。
自分自身の体験や、親、教師など大人の立場からの多様な内容で、そのどれもが大変な事実を勇気を持って記された貴重なものです。
本書は、その中から親と子(本人)の体験を14編を選び、1冊にまとめました。
子どもたちが変わってきたとよく言われますが、本当に子どもたちだけが変わってきたのでしょうか。社会の急激な変貌の中で、親も子も、学校も地域も苦しんでいるように思います。
嵐となって一時期を過ごした本人、また、その嵐の渦の中で苦しみつつ格闘してきた親たちの、その真実の声は、これまでほとんど公にされてきませんでした。それは「非行」の子どもとその親は、特殊な人たちだという観念が社会の中に強くあったからです。
あ本書でその生の声を多くの方に読んでいただき、子どもをとりまく今日の環境について、また家庭、学校、社会について考え合い、すべての子どもたちの豊かな成長のために、確実な歩みをすすめる努力をしていきたいと願っています。(著者より)
もくじ
神様がくれた私の試練
まず、大人たちが変わらなければ
「不良」ときめつけずに大きな愛で
心からの思いやりと愛情で救われた
もう、息子が恥ずかしいとは思わない
一生懸命ぶつかってよかった
息子に、私自身に贈るエール
あの時、あきらめないでよかった
手をつないだ親たち
子どもの立ち直りを信じて
返ってきた交換日記
長い長いトンネルを越えて
「高一で同棲」からの五年間
巣立ちまでの記録から
「非行」とどう向き合うか
−「司法」の立場で子どもと出会って
現代の「非行」問題が問う社会、学校、家庭